Vestiaire de l’enfance /Please discover the atmosphere of this book on the video

この春出版されたVestiaire d’enfanceのためのビデオを作りました。
朗読 ソフィー・カバリエロ フランス語の朗読です。日本語訳は以下をご参照ください。

彼女の写真作品は以前から知っていた。 ひらいゆうの作品と一目でわかる、独創的な世界を創造する、このアーチストの可能性に魅了さ れてきた。その写真での堪能な色使いは、いったい私たちは何者か、という問題における最も根 源的な我々の世界観を覆し、この現実を問う境界まで私たち鑑賞者を引き込んでいく。

そして、ある時彼女のドローイング作品を発見した。

まるで別世界にいるように、大人たちの会話を聞きながら、椅子の下に横たわっていた過去の自 分を思い浮かべる。これが本書65ページの絵を見た時の、私が最初に受けた印象だった。 物語を視覚化して語り、私たちの心の深層部に触れる、この才能は彼女の写真作品にも通じるも のだとわかった。ひらいゆうは我々に子供の頃を鮮明に想起させるイメージの宝庫を創りだすこ 事に成功している。押し隠している初めての欲望に対する高揚を、最初の遊びから、もう子供で はなくなり後戻りのできないあの時までを。水彩は自由自在に使いこなされ、フォービズムの油 絵を思い起こさせるような見事な色合いを見せる。ドローイングは具象だが、見えている事柄に 対する私たちの見解を揺さぶるような画面いっぱいの影に包まれている。その作品を鑑賞する事 で、色彩に迷い込む幸福感を交えた、ある種の不安な気持ちにも襲われる。覗き見する者、もし くは招かれざる客になったように、自分を感じるような。

人形遊びをしている少女。 その人形は一人の女性であり、少女を大人に変身させる。 この疑問をより率直に投げかけるために。 あなたはいつロッカールームから出てきちゃったの? あの子供時代のロッカールームから。

ソフィー・カバリエロ